INTRODUCTION
イントロダクション直木賞作家・浅田次郎氏の名作小説をミュージカル化
2000年初演。深い迷いの中で生きる主人公が、兄の命日にタイムスリップしたことから始まる物語は、やがて見えなかった真実を映しだしていく。浅田次郎氏が吉川英治文学新人賞に輝いた名作小説を原作に、胸がしめつけられるような郷愁とともに、生きることの切なさ、生かされていることの喜び、そして献身的な愛を描いた。「ロマンチックなものがどんどん失われていく今の世の中で、思いっきりロマンチックな小説を書きたかった」と語る浅田氏が、初演観劇時に「200%満足!」と絶賛した作品。
STORY
ストーリー地下鉄ストアの小さな衣料品会社に勤める小沼真次は、一年中地下鉄に乗ってスーツケース片手に営業先をまわっている。真次の父は戦後の闇市から裸一貫で世界に冠たる企業を興した立志伝中の傑物・小沼佐吉。本来なら小沼グループの後継者となるはずの真次だが、独裁的な父に反発し、高校を卒業してすぐに家を飛び出した。今は妻子と母の五人家族。生活は決して楽ではない。そして会社の同僚・みち子との関係。真次の心は深い闇の中を彷徨っていた。ある夜、同窓会で悪酔いした真次は、地下鉄のホームで元教師の野平老人と再会。その日が三十年前に自殺した兄・昭一の命日であることを思い出す。真次の脳裏に去来する、様々な記憶の断片。苦しみに追い立てられるように階段を上がる真次の目に飛び込んできたのは、昭和39年の兄が死んだ日の風景だった。
VOICE
観客の声
この作品を観て、感じたもの。それは、やはり毎日が死に直面していた時代を生きてきた人の生きることへの執着の強さでした。「死んでいった人たちの分まで生きる」。歌の歌詞の中にあるこの言葉があまりピンとこなかったのですが、公演期間中に親戚のおじさんが突然にがんでお亡くなりになり、そのときに感じた想いは同じものでした。
気が付けば、自分は昭和よりも平成の時代を長く生きています。昭和に息づいていた熱い「生」への執着は、「死」に面することが減った今の世の中では、確実に減ってきていると思います。なくなった命の数の分だけ、強く熱く生きる。本当に、そんな熱い昭和の熱を感じさせてくれた舞台でした。とっても熱い舞台ありがとうございました。たくさん泣かせていただきました(笑)(女性)
ものすごく奥深い作品。
一幕ではストーリーを追いかけていくだけで精一杯。二幕はなんだか一幕で断片的にあったパーツがどんどん組み合わされていき、どんどん心が舞台の中に溶け込んでいきました。涙がどうにもこうにも止まらない…。全然細かい所まで観れてません。でも心にずしんときました。
この作品が観れてよかった。そして音楽座の舞台に出会うことが出来て本当によかったと改めて思いました。(女性)
CREATIVE
スタッフオリジナルプロダクション
総指揮
相川レイ子
脚本・演出
ワームホールプロジェクト
音楽
井上ヨシマサ
音楽
高田 浩
美術
朝倉 摂
美術
伊藤雅子
衣裳
原まさみ
ヘアメイク
宮内宏明
照明
塚本 悟
音響
小幡 亨
音楽監督
高田 浩
歌唱指導
桑原英明
2007年公演 ポスターデザイン:石井みき / 舞台写真撮影:山之上雅信・ヒダキトモコ